シェアサイクルサービス【PiPPA】を運用し、人々の生活を豊かにするためのスパイスを提供する株式会社オーシャンブルースマート。ベンチャー企業では唯一のシェアサイクル事業を行い、幅広い可能性が期待される創業2年目の企業です。今回は代表取締役 小竹海渡社長が創業に至ったきっかけや今後のサービス展開について語ります。
中国で出会ったシェアサイクルの衝撃
起業に至るきっかけは、学生時代の留学経験に紐づきます。高校時代には上海、その後アメリカの大学に留学しました。日本では容易にできるものでも、海外では経験がないものは難しく感じられ、初めての体験の繰り返し。身の回りのことを全て一人で行うようになり、家族からは「留学して変わった」と言われるようになり、父ともビジネスについて話す機会が増えたのだとか。
小竹「アメリカ留学では、今の自分に至るきっかけを与えてもらいました。語学留学というよりは“独り立ち留学”だと思っているんです。日本では『1+1=2』と教えられますが、『1+1=2ではない、3にも4にもなり得る』という前提の教育で柔軟な考え方が育てられました。周りと同じことをしていては没個性になる。多種多様な個性を考え、固定概念に縛られないことは今の仕事に役立っています」
父が起業家ということもあり、30歳には自分も起業したいと思いを持ちながら、20代前半は過ごしていたと言います。いつか起業するときの為に修行する気持ちでマネジメントや人材育成などを勉強していました。
そんな折、仕事で再び中国へ。留学していた頃は、自転車を買い、乗るということが中国でも当たり前でしたが、その際にはシェアサイクルが流行し、自動車がインフラ化され、誰も自分の自転車を持っていないことに興味を持ったといいます。
小竹「これが日本でも実現出来たら面白そうだな、と思いましたね。インフラ事業を創り上げられること、マーケティングがしやすいこと、インバウンドにも需要があることなどを考えるとわくわくしました。『30歳で起業する』という目標よりも早くに起業できた理由はこのシェアサイクルに出会ったからです。」
ファーストネームの文字通り「海」を「渡」り、得たものは広い視野を持つ志向性と新しい事業の発掘でした。シェアサイクルに出会っていなかったらまだ起業していなかっただろうと当時を振り返ります。
ただひたすらに、プラットフォームづくりを続けた1年。
【PiPPA】の運用を始めて2年目の2019年4月現在、東京・京都・宮崎にてサービス展開し、利用者数は2万人を超えました。従来のシェアサイクルサービスでは返却場所や利用範囲が決まっていたり、書面で会員情報を登録する点を、スマートフォンがあればアプリひとつで会員登録から貸し借り、決済までを一貫して行うことができます。この業界で起こっていた不都合をなくし、自由に自転車を借りることができるサービスを創り上げたのです。
小竹「企業当初は企業理念や志を考えるよりもプラットフォーム作りの方が大切だと思っていました。スピード感をもって、ブラッシュアップして、いち早く整備していきたいと思っていました。事業理念などを考えることに時間を割いても、中身が伴っていないと意味がない。それよりもこの事業自体にこだわりを持ちたいという一心でした」
現在は【PiPPA】がメイン事業。今後会社を支えるその他の事業も立ち上げていくことが目標だといいます。IoTを扱う企業として新しくて面白いことに挑戦していくことが会社として大切にしていきたいこと。小竹代表は常にアンテナを立て続けています。
小竹「1年経てデータや検証数字ができてきたので、実データをもとにロジックで立証しようというようになってきました。『論より証拠』に近い状態ですね。マーケティングデータがとりやすいこともありますし、アプリの拡張性が広いので、今あるもの以外に付加価値を付けられるようなサービスを増やしていきます。潜在需要はあるので、必ず今後も利用者は増えていきます」
定着の理由は、可能性がありすぎるインフラ整備に携われること
毎月ひとつずつ新しいサービスをローンチしており、今後も広がりを見せていくと語る小竹代表。個人的な目標は「誰よりも働くこと、妥協しないこと、当たり前のことを当たり前にすること」だという。また、社員の定着の理由については、次のように語る。
小竹「社員が定着してる理由は、僕についてきているというよりも、インフラを一から作ること自体なかなか経験できないことなので、シェアサイクルが面白くて可能性がありすぎるからだと思います。しいて言うなら、僕が考え出すアイディアに可能性を感じてくれている人が定着しているという認識かな。この事業が好きで、諦めない人やアイディアが尽きない人、問題や壁にぶち当たっても打開できる人は必然的に残っていますね」
今後入社を希望する方にメッセージを送るとするならば、失敗を恐れない方、前を向いて励んでいける方や、データ分析、統計学、ビジネスマーケティングに強い方は活躍できる環境と話します。また、今後のビジョンについて様々な展望があります。
小竹「最終的なゴールはIPOですね。上場できるチャンスがこの会社にはあると思っています。そのためにも、今のミッションはアプリ同士の連携を強化していくことが重要だと考えています。あとは自分がいなくても回るようなシステムを作っていくことですね」
この事業が軌道に乗り、手離しでも運用できるようになれば、また新しいことに挑戦していきたいという。
小竹代表の頭の中にはどれほどのアイディアが今浮かんでおり、どのタイミングで実現されていくのか。常に進化を続けるオーシャンブルースマートには、これからも目が離せなくなりそうだ。
株式会社オーシャンブルースマート: https://pippa.co.jp/