大きな家族のように、笑顔が絶えないデイサービスを提供する株式会社ウェルリソース。病院と特別養護老人ホームや在宅介護のつなぎ役の役割を果たし、ご利用者様とそのご家族に寄り添った地域密着型の介護を行なっています。今回は同社の施設《りんごの歌 北原町》で管理者として働く、古澤 砂智子さんにインタビューを行いました。
運転手から未経験の介護職員へ転身。
同社で働き始めてから7年目を迎えた古澤さん。縁あって運転手として入社したことが始まりです。元々はご息女から一緒に働かないかと誘われたことがきっかけなのだそう。
古澤「私の娘がたまたま社会福祉施設でデイサービスのお仕事をしていて、どんなお仕事をしているのかは以前から聞いていました。『家にいて時間を持て余してるなら、運転手として朝と夕方だけでも私の働いている施設で働いてみない?』と誘われたのですが、自宅からの距離を考えると少し遠いなという印象がありました。
そんな時、たまたま求人情報を見ていたら《りんごの歌》の募集が出ていて、自宅からもとても近いし、送迎だけならできそうだと連絡したことからスタートしました。」
入社後は車椅子の移乗や運転ルートなどを教わり、都合の良い時間帯のみで働いていました。送迎と送迎の合間に施設内で働く介護スタッフの姿を見て、安富眞理子執行役員の誘いもあり、人手不足の解消に少しでも助けになればと、お手伝いから始めたところ介護職の魅力にどっぷりハマったのだそう。
古澤「最初は介護経験もなく、無資格で運転手だけを担当していて、移乗の仕方や車の動かし方、歩行の手伝いなどを担当していたのですが、執行役員から『介護職員として働いてみたらどう?』と誘っていただいて、入浴の仕方や認知症の方の対応の仕方をイチから教わりました。
だいぶ仕事にも慣れた頃、別の施設がオープンすることになり、その施設で執行役員と二人三脚で、ウェルリソースらしいアットホームな雰囲気づくりをしていきました。執行役員の『気持ちがあればそれでいいから』『手伝ってあげるからやってみて』という言葉が心強かったですね。」
その後、入社から1年経った頃、西東京市富士町の施設の管理者を任せられ、2018年には約1年ほどかけ、働きながら社会福祉主事任用資格を取得し、介護スタッフとして更に自信を付けていきました。そして、2019年5月には、現在働いている西東京市北原町にある《りんごの歌 北原町》に異動してきました。
ご利用者様は大きな家族の大切な一員。
ケアマネオフィスからは「困った時のりんごさん」と呼ばれるほど、他の施設には入所できなかった方や、様々な症例や家庭の事情がある方を受け入れ、在宅生活への支援に尽力している同社。一人ひとりに寄り添った介護で、施設を出る頃には入所当初よりも症状が回復している方が多いのだといいます。
古澤「様々な方と接するので、一人ひとりに思い出がたくさんあるんですが、その中でも印象に残っているのが東北出身の難聴のおじいちゃん。
一生懸命喋ってこられる方だったんですが、こちらの声が聞こえないし、東北弁の訛りは外国語に聞こえて会話のキャッチボールができない!ということがありました。それでも、時間をかけていくと言いたいことが通じるようになって、ホワイトボードに文字を書いてお返事をしていくことを繰り返して、コミュニケーションが取れるようになると落ち着かれました。
その他にも、入所したばかりの頃は、ご自宅に帰りたくてしょうがないおばあちゃんもいたんですが、編み物や本が好きで、一緒に趣味を手伝ってあげると落ち着かれて、ずっといて欲しいと職員が思うようなかわいらしい方でした。
他の施設へ移ることが決まった時は、ご家族も涙を流して『本当はここにいさせてあげたい』といっていただけることもありましたね。出ていかれる時に『じゃあね、バイバイ』とは言えないので、『行ってらっしゃい』と見送って、こちらも涙が溢れてしまったり…。ご利用者様の笑顔やご家族の感謝の言葉をいただけると、やりがいというか、クセになりますね。」
ご利用者様だけでなく、ご家族とも密なコミュニケーションが求められる介護の仕事。出張や残業、冠婚葬祭などの緊急時には宿泊を受け入れたり、夕食の提供を行なうなど、出来る限りサポートすることがご家族の心の支えになっています。
古澤「大切なご家族の一員だから、こういった施設に預けられていると思いますし、持病があって自分一人では見られない場合や、80・50問題で息子さんが働きながらお世話をしている場合もあるので、それを私たちが受け入れることで、ご家族が働きに行けたりしますよね。そんな、どうにもならないことのお手伝いをして、ありがとうって言ってもらえると、やって良かったなって思いますね。」
同施設は、いわゆる“最後の砦”ではなく、特別養護老人ホームや在宅でスムーズな生活ができるように支援するつなぎ役。ただ、他の施設に入所が決まっても、ここにいさせたいと言っていただけることが多いのだとか。そういった声をいただけることが介護職員冥利に尽きる、と古澤さんは話します。
他の施設にも伝えたい、自慢のチームワーク。
「一生懸命やるから楽しい」。古澤さんが感じる同施設の良さは、お互いにフォローし合うチームプレーができることと、ご利用者様の笑顔やご家族に感謝される気持ちが嬉しくて、それをやりがいに感じている方が多いこと。同グループ内の施設でもそう感じて働く方が増えるように手助けしていきたいと話します。
古澤「《りんごの歌 北原町》のメンバーは、それぞれが自分の仕事も、一緒に働く職員の仕事も理解して、どこでも働けることが強みだと思います。例えば、台所やお風呂で手が離せない人がいた時に、残りのメンバーがそのフォローをしていく。今日はこの担当と決めつけるのではなくて、お互いが気遣いながら出来るチームプレーがありがたいと思うし、私の理想かなと思います。
そうやって他の施設でもフォローし合えるようになって、『人手が足りない所にフォローに行くよ』と言い合えるようになればもっと良くなると思いますね。」
安富康晴代表に、古澤さんについてお話しをお聞きすると「彼女は軸に気持ちがあって仕事をする方。介護ってこういうものなんだというスピリッツを現場で伝えていく役割を担ってもらいたい。ご利用者様やご家族に対する接し方や気持ちの伝え方・汲み取り方をメンバーに伝えていく役割を彼女に期待する」とのこと。
また、安富眞理子執行役員にもお聞きすると、「一緒にがんばろうよ!助け合っていこう!という職員間のムード作りが上手で、一緒に働いていると同じ方向を向いていける。今、古澤さんの下で働いている人は、ご利用者様や一緒に働く方を『うちのレベルじゃない』と否定することがない」とおっしゃっていました。
そう評価される背景には、人の良い部分に気づく環境が出来上がっていることが大きいのでしょう。
古澤「中には手のかかるご利用者様もいらっしゃるんですけど、うちの施設の人たちはグチを言うことはないですね。おじいちゃんやおばあちゃんの手のかかる部分すら『可愛いね』って。可愛いところを見つけてあげるのが上手ですね。これから入社してくる方にも気持ちよく働ける場所だと思います。そんな職員たちのやりがいのためにも稼働を上げるようにがんばりたいし、これからもよろしくね、と伝えたいです。」
関わる人、すべてを幸せに。そんな古澤さんが率いる《りんごの歌 北原町》。ご利用者様・ご家族だけでなく、職員やケアマネオフィスからも愛される施設づくりをこれからも続けていく――。