西東京エリアで、なくてはならない公共交通機関“立川バス”。豊富な人材を確保できるワケとは?

西東京エリアで、なくてはならない公共交通機関“立川バス”。豊富な人材を確保できるワケとは?
抜群の運転スキルで、今日もお客様を安全にお届けします。

立川バス株式会社でバスの運転手をしている小嶋さん。前職では食品や日用品などをご自宅へ宅配するドライバーをしていたそう。どうしてバスの運転手になろうと思ったのか。そのインタビューを通して見えてきた“人材定着”というところにも迫ってみた。

前職ではどんなことをされていましたか?

小嶋:個人のお客様のご自宅へ、ご注文いただいた食品や日用品などをお届けしていました。中規模マンションなどはエレベーターがないので、30Kgのお米を担いで階段を昇っていたり(笑) お客様との関わりも多かったので、それも楽しかったですね。

転職するきっかけは何でしたか?

小嶋:「そろそろ30代なのでこの先30kgのお米を担ぐのは…」ということが一番の理由ですね。家族もいるので、体を壊すわけにはいきませんから。決して仕事が楽しくなかったというわけではなく、将来のために転職を決意しました。

転職活動はどんな形で行っていましたか?

小嶋:いろいろな求人広告を見ました。折り込みやインターネットの求人広告、ハローワークにも行きました。しかし、最終的なきっかけとしては、この会社で友人が働いていたということが大きかったと思います。安定して働けると聞いていたので「なら私も…」という感じでした。一家の大黒柱として、やはり“安定”は最優先したい条件です。

実際バスの運転手になってみていかがですか?

小嶋:やはり最初はガチガチに緊張しました。それまでは、人ではなく物を運んでいたので、単純に安全運転ということしか意識していなかったのですが、お客様を乗せているという状況は、緊張感も半端じゃないというか。お客様の命をお預かりしていますので、事故を起こさないということは当然のこと、それ以外にも急病人がいないかなど車内での様子も確認しなければならないので、前職がドライバーだと言っても全く異なる職種という感覚です。

運転する感覚はトラックとは全然違いますよね?

小嶋:そうですね。とにかく大きいですから(笑) もちろん、会社としても「はい、運転して」ということはありません。一から丁寧に研修を行い、免許取得の際は全面的にサポートしてくれるので金銭面でも安心ですし、仕事を覚えることに集中できる環境だと思います。いざ1人で…となったときには、運転技術という面ではすっかり自信がついていましたね。

※バスの免許とは/大型二種免許。乗車定員30名以上のバスを運転できる免許のこと。路線バスや観光バスなど(旅客運送車両)を運転でき、運転免許の中では最上級の免許。

お客様の命を預かる仕事。それが公共交通機関。具体的にどのようなことを注意しているのだろうか。

小嶋:お客様の命をお預かりするという立場では、どんなにキャリアを重ねても、絶対に慣れてはいけないということです。日々の運転の中でスムーズに何事もなく終えることも多々ありますが、急病人が発生するケースや、後続車による追突事故に遭う場合もあります。いつも同じではないということです。何度もバスを運転し、慣れてしまうとお客様の命は守ることはできません。毎日ハンドルを握ったら緊張感を持ち、お客様を無事に目的のバス停へお送りするという、強い意志と緊張感を持って仕事をしております。

実際、急病人や事故に遭遇したことがあり、その際はマニュアルに沿って、冷静な対応と正しい対処が望まれるという。

小嶋:少し前になりますが、バス停でお客様を乗せ、発車後まもなくバスの右側の後部に追突されました。幸いにもお怪我をされたお客様はいなかったのですが、強い衝撃で窓ガラスが割れてしまい、お客様の方に飛び散ってしまいました。内心焦りを感じますが、そこは冷静に対処しなければならないので、マニュアルに沿って車内アナウンスでお客様のご無事を確認すると同時に、運行中のバスを道路の端に寄せます。安全なところで停車した後は、お客様が混乱しないよう車内アナウンスで少しでもご安心いただけるようにお声を掛けさせていただきます。お客様お一人お一人のご無事を、お声を掛けて目で見て確認をし、 緊急用の携帯電話を備えてあるので、営業所へ事故発生の連絡をし、後続のバスまたは代替バスの依頼をします。速やかにその対応を済ませ代替のバスへご移動いただきます。とにかくお客様最優先です。

そのほかには自然災害や電車のダイヤ乱れなどによる、バスでの振り替え輸送もある。小嶋さんは数年前の大雪による降雪で、電車がストップした際、ちょうど出勤していたそうだ。

小嶋:大雪で電車もストップしてしまいました。電車が運転再開の目途がたっていないとなると、普段電車を利用している方はバスをご利用されます。バス停は長蛇の列になります。では、バスは安全に運行できるかというと、そうではありません。路線によっては、急勾配の道路があり、降雪の場合は上りきれないだけでなく、下りでスリップしてしまう可能性があります。その日は雪対策が万全の状態で出発したのですが、道路の幅も狭く、急勾配の坂道を上りきれずに坂道の下で立ち往生してしまいました。すると地元の方々が気付いて、ご自宅から様子を見に外へ出てきてくださいました。地元の方々はそこの道路事情をよくご存じなので「前と後ろから車が来たら止めておくから、坂の下から走行して坂を上ってみて」とアドバイスしてくださり、地元の方々のご協力のおかげで、アドバイスどおり上りきることができ、坂の下では歓声があがっていました。とても助かりました。あたたかい気持ちになりましたね。

このように、バスという狭い空間に緊張感が走る事態も起こりうる。しかし、緊張感を保ったままではなく、緊張感をほぐすタイミングもある。

小嶋:仕事中でもONとOFFをしっかり切り替えることが必要です。自分の中では終点でお客様の降車を見送った後が一息つけるタイミングです。駅のロータリーで一息ついていることが多いのですが、いつもご利用いただいているお客様が話しかけてくれたりするんです。ある意味、接客業の部類に入るのかなとも思いますが、お客様との会話って、実はとても少ないんです。お客様とのふれ合いが少ない分、声を掛けていただくと嬉しいですね。あとは営業所に戻ってきたときは、心からホッとする瞬間です。バスが運行しているときは一人なので、営業所に戻って他の仲間を見つけると、話に夢中になることがありますよ(笑) あとは次に備えて、心身ともに休息が必要なので、休憩室で短時間の昼寝をすることもあります。

先輩方との他愛のない会話。年齢が離れていても話しやすいですね。

バスの運転手ならではの勤務スタイル

  • 運行ダイヤゆえの不規則なシフト

小嶋:やはり不規則なシフトです。夜中の運行はないのですが、定時というものが職業柄ありません。始発では早朝5時には運行していますので、そのシフトの場合は3時半には起きています。逆に夜間の運行となると、帰宅は日付が変わった午前1時半頃になります。不規則な勤務体系の中でも安全運転を求められるので、最初は少し苦労しましたね。体調管理もそうですし、メンタルといったところでも管理をしなければなりません。

  • 同じルートをその日一日対応するわけではない

小嶋:いろいろなダイヤがあります。長くて4時間運行する場合は1時間休憩をしてから、次の運行という感じです。短いところだと運行が1時間程度という場合もあります。土地的なものもありますね。停留所と停留所の距離が離れているというだけで、運行時間も異なってきます。1つの路線をグルグル回っているというわけではありません。1つ目の路線が終われば、次は少し離れた路線を走るということもあります。複雑なようですが、それぞれのダイヤがパズルのようにカチッと組み合わされたものが自分のシフトということになります。うまくできているんですよ。

『バスの運転手』という誇り

  • 娘たちの反応

小嶋:あまり自慢は得意な方じゃないので(笑) ただ、(自分の)子どもの反応は嬉しかったですね。自宅近くの路線を担当した際、偶然ですが妻と次女が散歩をしていたんですよ。子どもが私に気づいて、大きな声で「パパ―!」と叫びながら、大きく手を振っていました(笑) お客様もビックリしていましたね。「あなたのお子さん?」なんて言われたりして。長女が学校から下校しているときにも偶然会いました。信号待ちの時に手を振ったら、一緒に歩いていた娘のお友達がビックリしていて、ちょっと笑っちゃいました。子どもたちの方がバスの運転手ということを喜んでくれていて、パパとしては嬉しいですね。職業柄、土日祝日も関係のない仕事なので、他の家庭と比較したら休みの日に一緒に遊べる時間は少ないかもしれません。しかし、帰宅時間が早い日もあります。早い時間に帰宅すると、子どもたちも喜んでくれます。疲れが吹き飛ぶ瞬間ですね。

  • お客様から称賛される運転スキル

小嶋:自慢は得意じゃないのですが…(笑) お客様から言われたことがあるのは「運転手さん、さっきのカーブの運転うまいねぇ」とか「ブレーキ上手ねぇ」とかですかね。運転スキルはとても重要で、時には会社の方へご指摘をいただくケースもあります。自分が乗車した際のことを考えて、ここでゆっくりブレーキを踏んだらあまり揺れを感じないかな?とか、細かいところまで考えて運転しています。特にコミュニティバスはご高齢の方の利用率が高いため、発車と停車のタイミングは特に気を付けます。大型バスは、それとあわせて定刻通りに運行しなければならないので、急がず遅すぎず。車体が重いので、スピードを出すとなかなか停まりません。適度なスピードで、ブレーキのタイミングを調整しながらという感じですね。

運転席に座り、ハンドルを握ると気持ちが引き締まります。

立川バスが提供する社員の“働きやすさ”

  • 有給取得率100%

小嶋:そうですね。とても休みやすい会社だと思います。僕は家族がいるので旅行に連れていくこともあるのですが、スムーズに休暇を取得することができます。他の運転手も『海外に行く』とか、『新婚旅行に行く』とか、連休で休暇を取得していますよ。運転手の人数が多いので、シフトの調整がしやすいということもあると思います。

  • 社歴に関係なく、同額の昇給

小嶋:例えば入社10年目の運転手と入社1年目の運転手。この2人はどちらも同額の昇給になります。全員社歴に関係なく、平等に昇給するので、ありがたいですね。頑張れるひとつのポイントかなと思います。

バスに乗ることはあっても、バスの運転手になる機会はあまりない。今後、バスの運転手になりたいと考えている方に、アドバイスをいただいた。

小嶋:バスの運転手になるということに不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。私もそうでした。立川バスならではの、充実した研修や育成制度があります。働きやすく、プライベートの時間も確保しやすいですし、残業手当もしっかりあります。きっと、不安や心配はすぐに解消されると思いますよ。何より私自身が立川バスに転職して良かったと思っています。

プライベートでは家族ぐるみの付き合い。社員同士の仲の良さも働きやすいポイント。

今後も変わらずこのペースで働いていきたいそうだ。お客様の命を預かる仕事なので無理はしない。バスの運転手の特徴なのか、喜怒哀楽が落ち着いていて、どっしりと構えている。きっと、ここでは伝えきれないほどの緊急事態を乗り越えてきたのだろう。ちょっとしたことでは驚かないスキルと、落ち着いた安心感のある運転スキル。命を預ける立場として、十分な安心感と頼もしさを感じた。

立川バス株式会社: https://www.tachikawabus.co.jp/

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