点と点が繋がり線となる。前職の経験が生きる葬祭ディレクターの仕事

点と点が繋がり線となる。前職の経験が生きる葬祭ディレクターの仕事

人生の最期を飾る大切な葬儀。ただ悲しいままで終わらせるのではなく、故人さまにとっても、ご遺族の方々にとっても最高の思い出にしていただきたい。そんな思いから、長年国分寺市・小平市エリアの葬儀に携わってきた『有限会社 井口葬儀店』。入社9年目の笹木幹人さんは美容師から葬祭ディレクターへ転職。一見全くつながりのないように思える職業が、一本に繋がります。

美容室の教育ディレクターから葬祭ディレクターへ

▲長く続けられる無くならない仕事。これまでの経験も生かしています。

青山のヘアメイクサロンで美容師として活躍していた笹木さん。 お客様からの指名や紹介も増え、技術を身につけた後にサロン内の品質管理やスタッフの育成を行う教育ディレクターへとステップアップ。 後輩も順調に成長し、自分のポジションを空けてあげたいと転職を考えていた時、『葬祭業界』が選択肢の一つにあがりました。

笹木「 年齢を重ねていく過程で、お祝い事よりも葬儀に参列することが多かったことが興味を持つきっかけでした。例えば結婚の場合、式を挙げなくても結婚することはできますが、人が亡くなった場合は必ず葬儀を行わないと埋葬ができないと法律で決められています。人が生きている限り無くならない仕事なので、最後の職業にするならこの仕事だと思いました 」

そうして入社した『有限会社 井口葬儀店』。美容師をしていたからこそ活かせる経験が沢山あると言います。

笹木「 ヘアメイクの経験があることは自分の強みだと思います。同業他社では外注の納棺師がエンゼルメイク(死化粧)やご遺体の着替えを担当することが多いのですが、井口葬儀店では基本的にご一報をいただいてから葬儀を執り行うまでを一人の担当者が一貫しているため、エンゼルメイクも私たちの仕事のひとつです 」

エンゼルメイクに使う化粧品は、舞台化粧に近いアイテムを使うことが多く、通常のファンデーションに比べ塗り方にも技術が必要です。

笹木「心がけているのは、 できるかぎり自然に仕上げることです 。亡くなった方は体の機能が停止して皮脂が出ないため、そのまま肌をマットに仕上げてしまうと、作り物のような肌になってしまう。だからしっかりと保湿をして、生前と同じような肌、眠っているようなお顔に仕上がるように意識しています。 亡くなり方によっては苦しそうな表情だったり、口が開いてしまっていることもあるので、硬直してしまっていてもマッサージや蒸しタオルで表情筋を緩めてあげることで、安らかな表情にしてあげられるようにしています。当社のスタッフはみんな、そうしていますね」

地域密着型の葬儀社だからできることと常に学び続けられる環境

▲様々な種類のろうそくやお線香。展示物コーナーは明るい雰囲気です。

国分寺やその周辺地域独特の風習が今もなお、残っています。1回限りのお付き合いを目的にしていないため、この地域の習慣や風習を知ることが何よりも大切だと言います。入社したての頃はご遺族の方々が故人さまに触れた時に冷たく感じないようなドライアイスの当て方や、着せ替えの練習、宗教的な知識のほかに地域の風習を知ることから始まります。

笹木「入社するまでは知らなかった珍しい風習がたくさんありますね。

例えば、納棺も地域によっては清酒を飲んで、何もかかっていないお豆腐をみんなで食べてから湯かんしたり、「隣組」と呼ばれる町内会よりも小さいグループに相談しながら式の準備を進めるなど、まだまだ知らない風習があります。

お付き合いの長いお客様が多いので、『以前のご家族の葬儀ではこの儀式をしていましたよ』とお伝えすることもあります。特に古くからの風習が根付いている地域や地主の方などには、葬儀の流れを決める際に『やらなくていいよ』とはじめは言われていても、その必要性を確認していきます」

知らない風習のご葬儀を担当する際、20年、30年以上も活躍している先輩が多数在籍し、相談すれば教えてもらえる環境なので、不安に感じることはないという。1人1担当制ではあるものの、周りがサポートする環境があり、【お客様は、会社にとってのお客様】という意識から、井口葬儀店のチームワークは強固だ。

笹木「ビックリされるかもしれないですが、弊社では朝礼を1時間することもあるんです。ご依頼いただいている葬儀について、誰が担当しているのか、どこの斎場を使うのかなど、お問い合わせがあった時に担当者以外も対応できるよう、ディレクターだけでなく事務スタッフにも共有しています。

仕事柄、当直があるので社員全員で食事や旅行には行けない代わりに、月に1回、会社の中での食事会を開催しているんです。毎回違うテーマで旬のものを食べたり、レクリエーションをしたりしています。ジェスチャーや絵を当てるゲームなどを行い、真面目な席では話せないようなことも、お酒を飲みながら話したりすることが風通しの良さに繋がっていると思います。ゲームはお客様にいかにわかりやすく伝えるかの練習にもなるので、楽しい席でありながら、仕事に生かせることも沢山ありますよ。」

ただ楽しいだけではなく仕事に生かせる経験を積むことができる環境。お互いに切磋琢磨し、一丸となって高めあっています。

教育の幹の太さを感じられる充実した待遇

▲安心して相談できる先輩やフォローをしてくれる事務職のみなさん

笹木「葬祭ディレクターになるのは難しそうって思われるんじゃないかな。当社では担当者になるまで3年ほどかかります。ただ、やみくもに3年かかるわけではありません。 まずは基本的な知識から身につけ、徐々に実践していきながら覚えていけば、ちゃんと一人前になれます。教育カリキュラムに沿って行っていけば、何の成長もなく3年経ってしまったということはまずありえません。私は業務日誌を毎日つけることを続けて、日々を振り返るようにしていました。

教育にはお金もパワーもかかるので、企業にその体力がないとできないと思います。規模はそこまで大きくはないですが、井口葬儀店の『幹』は太くてしっかりしていると思います」

葬儀の流れは地域の斎場やお寺を貸りて練習させてもらうそうです。実践してみてできたこと・できなかったことを繰り返して高めていく。その繰り返しから、このメンバーなら自分が何を担当すればスムーズに進められるかが自然と分かってくる。大きな会社じゃないからこそ、それができると話します。また、資格取得に関しても手厚い支援制度があります。

笹木「資格取得支援が充実しているのはありがたいですね。受験費用だけでなく、試験会場までの交通費まで負担してもらえる環境はなかなかないと思います。葬祭ディレクターだけでなく、終活カウンセラーや心理カウンセラーなどの資格取得費、資格更新費も会社負担なので、本当に手厚いですよね。」

自身も未経験だった葬祭ディレクターの仕事。
これから入社される未経験の方に伝えたいことは、分からないことを分からないと言えて、相談すれば周りが手を貸し述べてくれ、しっかりと助けを求められる方には成長しやすい環境なので不安に感じることは一つもないということ。

未来に続く思い出を提供する誇り

▲まだまだ5/100。井口葬儀店と共に成長していきます。

ご遺族様によって葬儀は様々。あらかじめプランが設定されている、パック売りの葬儀を提供している企業が多くあります。井口葬儀店でも過去にパッケージ販売をしていたことがありますが、それではお客様にとって1番良い葬儀を行うことはできないと考え、現在はお客様ひとりひとりに合わせたプランをご提供しています。

笹木「例えば斎場ひとつをとっても、故人様の交友関係や社会的地位などをふまえて参列者数を予測し、人数に見合った大きさの斎場をご案内する必要があります。他にも、 『火葬しかしないけど、150万円の棺を使いたい』、『祭壇は質素でもいいから、参列された方におもてなし重視で料理や返礼品を豪華にしたい』、『慣れ親しんだ自宅から花祭壇で華やかに送り出したい』等、本当に様々な要望が寄せられます。お客様が持っているイメージを丁寧に掘り下げつつ、後悔されないご葬儀を提案ができるように心がけています」

生前のお人柄や家族との関係性を最大限に考慮し、お客様の要望を叶えられるように努力する。【葬儀】というものにお金と時間を割くことで、ご遺族の方々に「やってよかった」と、悲しいだけの出来事ではなく、未来に続く思い出を提供することができる。

笹木「今後はお客様からも会社からも必要とされる存在でいたい。何かあった時に『この人なら何とかしてくれる』と言ってもらえる存在でありたい。でもまだまだ理想の姿には程遠いですね。今の自分は100%のうち5%くらいだと思います。ただ、現状には満足しているので、将来の夢は仕事ではこれ以上見つけられません。いつも支えてくれている奥さんの夢だった海外旅行に連れていってあげることが今の私の夢です」

周りのサポートがあり成長を続けている過程で、様々な知識を吸収し、100%の姿を目指していきます。経験豊富な先輩方が活躍されているように、『井口葬儀店の笹木さん』は20年、30年とこれからも必要とされ続けていくことでしょう。地域に根差したアットホームな会社だからこそできる、心のこもった葬儀。そのひとつひとつの優しさは、亡くなられた方・ご遺族・参列される方、皆さんに伝わりつづけていきます。

有限会社井口葬儀店: https://e-iguchi.co.jp/

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