規格袋製品業界におけるシェアナンバーワン企業を目指す、メイワパックスグループのグループ会社として、食品や医療品、日用品、電子部品など幅広い商品に使用される“袋”の製造を行なう明和産商株式会社。2019年には【健康経営優良法人(中小規模企業法人部門)】にも選ばれ、「社員の健康がお客様の快適な暮らしに貢献できる」との思いのもと、直近3年の定着率は100%といった働きやすい環境も魅力の一つです。そんな同社の野田工場で包装資材のオペレーターとして活躍する、真中文矢さんにお話しをお聞きしました。
同業界からの転職。魅力的に映った面接時の一コマ。
新卒入社した企業で、ブリキ素材を使用した缶の製造を行なっていた真中さん。有名テーマパークで販売されるお菓子の缶や、身近なところでは100円均一で販売される貯金箱などを製造していたのだそう。
真中「学生時代は製造業に絞って就職活動をしていたわけではありませんでしたが、様々な企業を知る中で、身近にあるものやデザイン性のあるブリキ缶に興味を持って就職しようと決めました。季節によってブリキ缶のデザインが変わるのを、誰よりも早く手に取ることができることに面白みを感じていました。
ただ、私が働いていた時期に受注量が落ち着いてしまったこともあり、もっと忙しさの中で仕事のやりがいを感じたいと転職を決意しました。」
学生時代は幅広い業界を視野に入れ就職活動をしていましたが、転職の際には前職で得た経験を活かしたいと製造業に絞り、その中でも面接時に魅力を感じた同社に入社を決めたのだといいます。
真中「形状や素材は違いますが、内容物を梱包する製品づくりという点では似ているので、機械を操作・セッティングする際には前職の経験が活かせると思い明和産商ともう1社に絞って応募しました。
面接を受けた際に印象に残っていたのが、面接官の方が話しやすい空気づくりをしてくださったこと。その場の空気を和ませてくださったおかげで緊張がほぐれたことや、実際に工場見学をすると、社員の方が明るく挨拶してくださって、職場の雰囲気の良さを感じたことが入社の決め手。
最近はニュースで人間関係のトラブルを聞くことも多く見受けられますが、明和産商ではそういった悩みを感じることがなく、面接時や工場見学の際の印象は間違ってなかったと確信しました。」
入社10年で広がった視野。感じるやりがいと成長。
入社1年目は、製造されたものの検品作業が中心。機械操作を教わる以前は、商品の不良を発見しても知識がないために、自身で直すことができないことや、機械操作を教わったばかりで、袋によっては形がずれてしまうなど、思うように調整ができないと悔しい思いも経験しました。
真中「以前も製造業でしたが、機械は全く違うものなので新しく覚えるのは大変でしたね。袋の形状ごとに専用の機械があるので、全部を動かせるようになるには技術も知識も必要です。
検品をしているときに【前取り】といって、基本の操作方法は学びますが、本格的に細かい作業も覚えるのはオペレーターになってから。機械操作を覚えるまでには半年、細かい調整から覚えていきました。商品の不良に気づいて直せるようになった時は、自分の成長を感じて嬉しかったですね。」
新しい機械操作ができるようになると、一緒に働く先輩から褒めてもらえることも嬉しい、と語りました。
そして、入社から10年経った今、様々な経験を重ねたことで周りの生産状況が追い付いていなければフォローに回ったり、自身で気付いた不良に調整を加えたりと、自由に使える時間が増えてきたといいます。
真中「仕事のやりがいを求めて転職をしたので、忙しかったり大変だと感じても、やるべきことを自分の中で1日のスケジュールを整理して、予定通りに進められるとやりがいを感じますし、忙しい方が『しっかり働いているな』という感覚になるので楽しいですね。
1日の終わりに帳票類に記入するときに、1日にこれだけ加工できた、これだけ量を増やすことができたと数字で見ると、今日も頑張ったなと感じてやる気にも繋がります。」
そうして製造した袋たちに内容物が入り、スーパーやドラッグストアに並んでいるのを見かけると、思わず手にとっては検品してしまうこともあるのだそう。自身が携わったものが当たり前に身の回りにあることで、更に商品への愛着が湧くのだといいます。
感銘を受けた、【後工程はお客様】という考え方。
真中さんの1日は、朝8時、機械のスイッチをいれることから始まります。初動では不良が出やすいため、設定を調整し生産をスタート。時には製品ごとに備品の交換を行い、製品の形を整えることもあるのだといいます。
真中「初動で出てきた袋を見て、接着されている部分の幅が狭くなりすぎていないかや、ノッジ(切り口)の位置や形が正しくできているかをチェックします。慣れていないと見過ごしてしまうので、経験がものを言う部分ですね。
基本的には三方袋(さんぽうたい)といって3か所が閉じていて、1か所だけ開口部があるものが多いのですが、その他にもチャックがついているものやシャンプーの詰め替え用の袋なども製造しています。内容物が漏れてしまうとクレームに繋がることもあるので、しっかりと封できていることを意識しています。」
真中さんが仕事に対して真剣に向き合う姿勢は、入社当初の朝礼で【後工程はお客様】という言葉に出会ったことが大きく影響しています。自分たちの行程で仕事が完結するのではなく、前後の仕事をする方たちとの協力があって一つの商品が完成し、流通する。社内外を問わず、次の行程の方がお客様だと思って丁寧に接することで、引継ぎをしやすいようにと心がけているといいます。
そうした姿勢から、真中さんの信頼は社内でも厚く、新しい機械の導入にも携わることができたのだそう。
真中「機械の仕様について上司・先輩と話し合い、実際に機械の製造会社に同行させてもらい、『こんな部品を追加してほしい』といった打合せを繰り返して導入へと至りました。自分の意見が反映されたこともあり、貴重な経験ができたなと、その機械への愛着が湧き、より一層生産に対する責任感を持つきっかけとなりました。」
同年代が活躍する、笑顔の絶えない職場。
真中さんが感じる働きやすさは、入社前から感じていたコミュニケーションの質の高さや、20代~30代の方が中心の距離感の近さにあるのだそう。忘年会や新年会、新入社員の歓迎会では、普段話すことができない部署の方や周りの工場の方とも接することのできるいい機会だと感じています。
真中「製造業は業界的にベテランの方が多い印象がありますが、当社は若手の同年代の方中心なので、上司にも年齢差があって意見を言いづらいと感じることがありません。後輩には、私が先輩にしてもらって嬉しいと感じたことを、同じように感じてもらえるように意識していますね。
若手の方の入社が多いのは、面接の際に工場見学もしているので、会社の明るい雰囲気を私の時と同じように感じてくれているのかなと感じます。面接に来た方には笑顔で帰ってもらえるようにしたいと思っています。」
真中さんが求職者や後輩に対して親身に接する背景には、以前に同じチームで働いていた先輩が工場長に就任したことも一つの要因なのだそう。
真中「西村工場長は元々同じチームの先輩で、様々な業務を教えてもらったので尊敬しています。工場長に就任された時は嬉しかったですね。常に元気ではきはきしている姿に憧れていたので、目標とする先輩です。いずれは自分もチームリーダーになって全体をまとめたり、工場長と並べるようになれたら嬉しいですね。」
これを受けて、真中さんについて西村工場長にもお話をお聞きしてみると、「一言で言うと堅実。感情に左右されることなく、落ち着いて業務をこなしてくれる。几帳面で器用なので、製造機を扱う上では、よっぽど私より長けていると思います。今のままでも十分彼の良さはあるので、いい部分は変わらずにいて欲しい。ただ責任感が強すぎるから、もっと楽に構えてもいい」と、仕事ぶりや性格がしっかりと評価され、一人ひとりの社員に目が行き届いていることを感じられます。
最後に、今後の目標についてお聞きしました。
真中「お客様には、内容物がメインではありますが、使いやすい袋が増えることで生活が少しでも楽になったら嬉しいです。
私が働く野田工場は入社当初に比べて機械も増え、新たに生産可能な製品の形状も増えました。本社や他の工場に比べるとまだ小さいですが、 今後も様々な形状に対応出来るよう生産の幅を広げていき、他の拠点に負けないような関東の生産拠点として更なる成長が出来るよう一社員として尽力していきたいと思います。 」
明和産商株式会社:http://sansho.mpx-group.jp/