“人生”のはじまりの物語――一人ひとりに向き合う楽しい保育

“人生”のはじまりの物語――一人ひとりに向き合う楽しい保育

『人を想うことをはじめる』『楽しみを描くことをはじめる』『これから生きていくことを期待することをはじめる』。生まれたばかりの子どもたちの“人生”という物語のはじまりに、楽しい保育を実践している株式会社GROOVYが運営する『はじまりはじまりえん niko』。ミュージシャンのCDジャケットやCM・広告などを手掛けるアートディレクターの森本千絵さんがデザインし、遊び心に満ちた園内は子どもたちのイマジネーションを刺激するカラフルで楽しい空間です。そんなワクワクする空間で子どもたちに向き合う保育士の福田朋さんの物語が今、はじまりはじまり。

ひと繋ぎの空間で感じる、みんなの子どもたち

▲イマジネーションを刺激するカラフルでかわいい保育ルーム

大学の教育学科を卒業した後、某有名テーマパークのアトラクションスタッフとして働いていた福田さん。結婚し、子育てもひと段落した頃、子どもや教育が好きだということを思い出し、同時に学生時代に保育士資格を取らなかったことを後悔していました。その後悔を払拭すべく、子育てもしながら独学で科目を取り国家試験を受けたのち、晴れて保育士資格を取得しました。

福田「もともと人を喜ばせることが好きで、テーマパークで働いていたんです。『楽しいことが好き!楽しませることが好き!』が私の原点で、子育てを始めてからは子どもが喜ぶところを見るのがとっても嬉しいな、それを仕事にできたらいいなって思ったのがはじまりです。思い立ってから何年もかけて少しずつ科目を取って、資格を取ることができました」

求人原稿から感じた雰囲気の良さに惹かれ、同施設で働き始めてからは新しいことの連続。初めて経験する出来事をまずは沢山吸収して、この環境に合った色に染まろうと奮闘する毎日は、以前働いていたテーマパークのようだったといいます。

福田「実際に働いてみると、一日で完結していくことや、忙しい中でも子どものために臨機応変に動くことが楽しくて、毎日がジェットコースターのようだって思っていましたね。頑張った分返ってくるし、やりがいも感じています。

一緒に頑張っている先生方も、人に頼りっきり・任せっきりな雰囲気がなかったので、一人ひとりが責任をもって仕事をしてるなって印象を受けて、大人になってから始めたので居心地がいいなと感じています」

同施設の特色は、年間を通して様々な行事があること。テーマや役割分担をの話し合いや、日々の業務の中でもチームワークの良さを感じることが随所にあるのだそう。

福田「大きな行事は決まっているので、『今年はグルービークラス(2歳児)がやります』『じゃあ、こっちの行事はハッピークラス(1歳児)がやります』って役割分担が自然に決まっていきます。各クラスの状況があるので、自分たちのできそうなことを声を掛けあって、自然とリカバリーしていく風土が出来上がっていますね。役割分担自体も嫌々するのではなくて、お互いにありがとうって言いながら助け合えています。

ワンフロアに間仕切りをしたクラス分けなんですけど、泣き声を聞きつけたり、いつもと様子が違うだろうなって声が聞こえると、他のクラスの先生が補助で入ってくれます。ここしか知らないので大規模園との違いは分からないですが、どの先生も他のクラスもちょっとずつ見ることができていてチームワークを感じることが沢山ありますね。

一番若い先生が雑用を引き受けてくれることが多いんですけど、絵本の読み聞かせをやってみようって任せてみたら、すごい大きな声で出来るようになっていて、感動して私が泣いちゃう!みたいなこともありましたね(笑)下っ端だから雑用しなきゃいけないとかではなくて、みんなでカバーし合おうよって雰囲気が出来上がってると思います」

フロアも隔てず、教室が分かれているわけでもない、ひと繋ぎの空間は互いを気遣いコミュニケーションが取れる大切な場所です。こうした距離感の近さは保育士同士だけでなく、保育士と子どもたちのコミュニケーションにも一役買っていて、2歳児クラスに進級した子どもたちが、1歳児クラスの時の先生にぎゅっと抱きしめてもらいに行くこともあるのだといいます。

他にはない、地域と触れ合う年間行事

▲人見知りしない子どもたち。刺激を受ける沢山のイベント。

《はじまりはじまりえん niko》では年間目標として「社会性のある子ども」の育成を掲げています。二子玉川駅のライズモールの中にある同施設では、地域と接する機会が多くあり、子どもたちの成長に大きく影響を与えているのだそう。

福田「クリスマスの時期になるとライズモールには巨大なクリスマスツリーが飾られて、生演奏のオーケストラと一緒にイルミネーションの点灯式を園の行事として行います。準備は大変なんですけど、物事に対する取り組み方とか積極性とか…ひとつの行事が終わった後の成長がとても著しいので、緊張してドキドキしながらも『できた!』って自信につながっているのかと思うと、頑張ってやらせてあげたいなって気持ちになりますね。みんなひとつのことに向かって何かをするのが好きなのか、それを楽しんでるような感じはありますね」

ハロウィンには駅員の方にお菓子をもらいに行ったり、卒園する際にはお散歩中に手を振ってくれるテナントのカフェに色紙を渡したり、この地域ならではのコミュニケーションの層が厚いのだそう。そうした接点やイベントがある中でも福田さんがこの場所で働いていて印象に残っているのは2018年冬に行われた《キネコ国際映画祭》のCMに子どもたちが出演した際のことです。

福田「アイディアを沢山出して作った作品と子どもたちの写真を制作会社に送って、動かしてもらったんですよ。その作品作りを仕上げるまでみんなで頑張りました。ライズモールの大きなビジョンに定期的にCMが流れるのをお散歩の時に見かけては『あ!○○くんがいた!』『あれ、ぼくがつくった!』って言い合っては、みんな楽しんでましたね。

他の保育園にはなかなか無い行事が沢山あって、子どもたちも嫌々ではなく楽しんでやってくれているので、いろんな行事を経験する度に楽しめるようになってきてくれてるのかなって思うと自信もつきますよね」

子どもの目線に立つ。そこから見える景色とは

▲みんなが喜ぶ手作りのおもちゃ。同じ目線で楽しむがモットー!

社会との繋がりを持つことで積極的で人見知りをしない子どもたち。普段の生活の中でも、固定概念に捉われずにその子どもにとって大切なことを見極め、個性を潰さない人格形成を心がけているのだそう。

福田「これは違うだろうって思うことでも、この子にとっては今大事なことなんだなって見るようにしています。子ども扱いをしないで、ひとりの人間としての接し方を意識します。

まずは私が楽しまないと子どもたちも絶対楽しんでくれないと思うので、注意を引くにしても大きな声を出すのではなくて、忍者になりきってみたり、あえて小さい声でコソコソ話するようにしたり、本当に大事なことは真剣な表情で話したり。本当に些細なことですが、ちゃんと子どもには伝わりますね」

新人の頃は思うように声掛けできず、次の予定に間に合わせることが難しく苦労したこともあったといいます。その頃の経験から、子どもたちと信頼関係を築くことを意識するようになりました。

福田「保育士になったばかりの頃は、この時間でトイレに行かせたいなって思ってもなかなか思うように動いてくれなくて。遊びを中断して行かなくちゃいけないから、理不尽におもちゃを取り上げて強制するのも嫌だろうし、おもちゃを取られたくないのもわかるので『一緒に持っていこうね』って声かけたり、トイレに行っている間『バリア張って見張っとくから!』って他の子に触らせないようにしたり…。そういう積み重ねで早く戻ってこればいいんだって学んでくれるので、何をしてあげられるかを考えていれば、子どもたちは納得してくれるのかな。集団生活も学ばせながら、意思を尊重することが大切かなって思います」

2019年8月現在、5年目を迎える福田さんは後輩の先生にも子どもたちと信頼関係を築くことから始めるように勧めるのだそう。

福田「入ったばかりの先生には、まず子どもと遊んでもらって信頼関係を作ってもらうようにしています。その人のキャパシティに合わせて任せる仕事を増やすような形を取っていて、やろうとしていることは全面的に応援して、否定はあんまりしないようにしています。やってみてダメだったら全部責任は取るから、まずはやってみようって。

美大卒の先生はアイディアが豊富で、牛乳パックとかトイレットペーパーの芯を使って子どもたちとおもちゃを作ってくれたことがあったんです。自分だけのおもちゃだから取り合いもないし、片付けが上手になったり大切そうに遊んでいたり。そうやって徹底的に遊んでいる姿を見ると、次はどんな遊びに発展させようかなってどんどんアイディアが湧いてきます。既成のおもちゃよりも手作りの方が温もりがあって愛着が湧くような気がしますね。牛乳パックで作った車、ボロボロになっている子もいるくらい(笑)今年のテーマは徹底的に【遊び込む】こと。子どもたちが主体的に好きな遊びを見つけられると心の中でガッツポーズしますね」

毎日一緒にいることで、先生のキャラクターに似てくる子どもたち。太陽のように明るくて、楽しいことが大好きな福田さんが受け持つクラスはみんな元気いっぱいです。

夢は、子どもたちが帰ってくる場所であり続けること

▲信頼が生むコミュニケーシの輪。

福田「子育てに協力的なご家庭の方が多いので、困っていることがあれば聞いてくださいますし、こうかな?と思ったことをお伝えすれば柔軟に受け入れてくださったりして、親御さんとの信頼関係も築きやすいのは地域柄・認証保育園ならではなのかなという気がします」

この場所でよかったと思うことは、ご家族との信頼関係も築きやすいこと。そういう点のストレスを感じることがなく、せっかく預けていただいているのだからと、信頼を裏切らないよう誠意をもった対応をするよう心掛けているのだそう。

福田さんが目指しているのは、子ども一人ひとりが生き生きとして、楽しくってしょうがないと思える保育園になること。同時に、ご家族にも前向きに子育てに取り組んでもらえる働きかけができたらと話します。

福田「私も子育てしているのでママ業が大変なことも良く分かります。だから、『今日お休みなのに預けるの?』と思うのではなくて、信頼関係があれば『大変ですよね、預かりますよ!』って言えることもあるじゃないですか。お互いに一歩踏み込んで、預かりやすい・預けやすい関係性をつくれたらいいなって思います。

子どもは本当にママやパパのことが大好きなんだよ、そこだけは忘れないでほしいなって伝えながら、子どものために三位一体になって、家庭と保育園と子供がいられたらいいな」

半数ほどはお子さんのいる保育士さんが活躍しており、オーナーも子育ての真っただ中。自分も通ってきた道だからと、事情を分かってあげられるのでしょう。そうした周りの理解があることは同施設の強みであり、魅力です。

福田「私の夢は、体が続く限りここにいて、卒園生が戻ってくる場所になること。子どもたちが遊びに来た時に知らない先生ばかりだとかわいそうなので…。これから入ってくる新しい先生には、子どもが好きって思いだけあれば十分なので一緒に楽しもうって気持ちを持ってきて欲しいです」

保育士同士、対子ども、対ご家族。誰に対しても【信頼】の一言で完結する環境がここにはあります。人生のはじめの一歩の喜びを分かち合えるこの場所で、今日も福田さんは子どもたちに惜しみない愛情を注いでいきます。めでたし、めでたし。

株式会社GROOVY/はじまりはじまりえん niko:http://grooovy.co.jp/

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